【事例1 8カ月女の子】
台所の食器棚の2段目(高さ約80cm)、底面が引き出せる扉のない棚に電気ケトルと炊飯器が置いてあった。自宅には母親と女の子の2人のみで、女の子は台所にいた。母親は洗面所にいて、台所の様子を確認できない状況。台所から泣き声がしたため向かうと、電気ケトルが倒れて、床に湯があふれていた。右前腕(ひじから手首までの部分)にお湯がかかったと思われるため、冷水で数分冷却したのち、ぬれタオルで包み救急車を要請。
受診時には右手関節から前腕にかけて水疱・びらんが見られ、浅達性Ⅱ度熱傷約5%相当と判断された。
(傷害速報より引用、一部改変)
【事例2 8カ月女の子】
ミルク用に毎日電気ケトルを使用。こたつテーブルの上の中央に電気ケトルを置いていた。ミルクの準備のために母親は電気ケトルの電源を入れ、トイレに行った。子どもの泣き声を聞いて居間に戻ってくると、ケトルが倒れ、テーブルの上に湯が薄くたまっていた。子どもは立った状態で前胸部がテーブルのふちに密着し、両前腕が湯だまりにつかっていた。子どもが電気ケトルを倒したと思われる。両腕を流水で数分冷やしたあと 、医療機関へ救急搬送。
両上肢と胸部を合わせて10~15%のⅡ度熱傷と判断され、入院となった。
(傷害速報より引用、一部改変)
■子どもの手の届かない高さは変わることを意識して、置き場所を考えよう
――電気ケトルによるやけどを防ぐには、どのようなことに気をつければいいでしょうか。
山中 「電気ケトルを子どもの手が届く場所に置かない」。これが鉄則です。手の届く距離の目安は、1歳90cm、2歳110cm、3歳120cm、4歳130cm、5歳140cm。これは、高さのことではありません。たとえば、1歳児の90㎝というのは、50㎝の高さのテーブルであれば、テーブルのふちから40㎝奥まで手が届く、70㎝の高さのテーブルなら、テーブルのふちから20㎝奥まで手が届くということです。テーブルの高さによって手の届く距離が異なるのです。
(略)
子どもが触れない位置にあるコンセントにつなぐようにすることも忘れないでください。
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編集元: 「まさか…トイレに行っている間に子どもが大やけど」。電気ケトルによる乳幼児のやけどが増加。専門家も注意を呼びかけ