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結果的に「別々の学校に通いたい」というふたりの願望が、中学受験に挑む理由となった。

「でもね、はじめの頃は双子だからなのか面白いくらい成績が似たり寄ったりで。何百人と受けている模試で順位が並んだこともありました(笑)。塾のクラスも成績によって分けられるから、いつも一緒。もちろん成績だけでなく、例えばひとりが自転車に乗れるようになったと思ったら、次の日はもうひとりも乗れるようになっている、といった具合で不思議なぐらい成長過程が同じでした。だから私たち親が、変にふたりを比べる必要もなかったんです」


「長男の第一志望校は偏差値帯が高く、６年生にあがる段階の成績では届いていませんでした。私は最後どこまで成績が上がるかで決めようと悠長に考えていたんですが、中学受験を終えた子どもがいるママ友に話したら、６年生に上がる今、第一志望の学校に受かるためには親子で気持ちを入れ替えないとダメだよ！と言ってもらって、長男と話し合って頑張ることに決めたんです。
でも、６月の塾との面談でちょっと厳しいかもしれないと言われました。というのも、その学校は受験日程の初日に試験があり、初日で落ちてしまうと長男の性格ではそのあとのメンタルが持たないかもしれないと。それで、その時に塾から提案されたのが現在通う中学校でした。偏差値帯は同じですが、受験日を３日目に持ってこれる。１日、２日目に第二、第三志望の学校を受けて合格をもらい、自信を持って挑めるんじゃないか、それにとても良い学校ですよ、と長男の性格からのアドバイスをいただいて、早速私ひとりで見学に行ってみました。そしたら、めちゃくちゃ良い学校じゃん！　と私はすごく気に入って、受験をする意味はこの学校に通うためにあるのかもと思うほどでした」

周りの目を気にする性格で、成績が落ちないよう勉強をしていた長男に比べ、次男の成績は5年生になると伸び悩んでいるようだった。しかし、不安に思ったayakoさんが塾の面談で相談すると「次男くんですか！？ 彼は大丈夫ですよ」と言われ続けていた。そしてそう塾の先生が言っていた通り６年生になってから次男は集中力の高さとコツコツ貯めてきた力でぐんぐんと成績を伸ばし、受験直前期にはもうふたりの成績は明らかに差が出たな、と感じるほどだったそう。

残念ながら次男は第一志望からは合格をもらえなかったが、現在は難関進学校に通っている。

「合格をいただけた学校は、次男が希望していた“家から近い”という条件にぴったり合う学校です。もともと我が家は惹かれた学校しか受けない、行く気のない学校は受験もしないという日程を組んでいたんです。親子で話し合いそう決めましたが、受験直前期は私が気持ちが追い込まれて、ひとり、それで良いのか正しいのか、本当に悩みに悩みました……。
ただ、惹かれた学校しか受けなかったからこそ、次男が合格をいただいた学校も家族で気に入っていた学校ですし、校風も彼に合っていると感じていました。そして今次男のLINEの待ち受け画像は学校です。縁のある学校に決まったんだなと思っています。たった数時間のテストで決まってしまう受験、双子だからこそ結果について“兄弟の片方だけがダメだった”では終わらせられない。それで終わらせてしまってはいけないというプレッシャーがずっと私にはありました」

中学受験の結果はどの家庭にとっても一大事だが、双子の受験はその重みがただ２倍になるだけではない、ふたりともが納得できる結果で終わらせたいという苦悩がつきまとう。ayakoさんは悩みながらも、そのプレッシャーから逃げず、必ずふたりともが納得する結果で中学受験を終わらせようと双子に伴走し続けた。